
WordPress(ワードプレス)案件は報酬単価が高いって聞くけど、具体的にどういう作業をする仕事なの?そもそも「WordPress」ってナニ?
今回は収入アップを目指すフリーランスの方にオススメの「WordPress案件」について解説していきます。
HTML、CSS、JavascriptでWebサイトを作れるようになったけど、スキルも収入も更に上を目指したい!という人にピッタリの内容です。
WordPress案件は学習時間に対する収入アップの期待値がとっても高いお仕事ですので、Web制作をしているフリーランスの人は是非読んでいって下さい!
WordPress(ワードプレス)とは?
WordPressはCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)と呼ばれるソフトウェアの一種です。
CMSをWebサイトに組み込むことで、専門知識を持っていない人でもWebサイトの更新やページ作成が行えるようになるため、ブログや企業のサイトで多く利用されています。
世の中には数多くのCMSが存在しますが、WordPressは世界のCMSシェア率で約40%を占めている最もスタンダードなCMSです。(参考: w3techs.com)
WordPressを利用するメリット
では、なぜWordPressは他のCMSと比べてシェア率が高いのでしょうか?
WordPressを利用するメリットは大きく以下の4つあります。
- 情報(書籍・ネット)が豊富にある
- 無料で利用できる
- 機能の拡張性が高い(プラグイン)
- サイトのカスタマイズが簡単(WordPressテーマ)
① 情報(書籍・ネット)が豊富にある
WordPressはシェア率が高いため、インターネット上や書籍で関連情報が入手しやすいというメリットがあります。
もちろんWeb製作者向けの教材も多く出回っており、実際に僕も書籍でWordPressを独学して案件受注に繋げました。
教材が充実している分、他のCMSと比べて参入障壁は圧倒的に低いと言えるでしょう。
② 無料で利用できる
WordPressはオープンソースのソフトウェアなので、誰でも公式サイト(WordPress.ORG)から無料でダウンロードできます。
③ 機能の拡張性が高い(プラグイン)
サイトに問い合わせフォームやアクセス解析などの機能を拡張したい場合は、専用のプラグインをインストールして簡単な設定を行うだけで実装可能です。
WordPressが公式でリリースしているだけでなく、ユーザーが公開している良質なプラグインも数多く公開されています。
④ サイトのカスタマイズが簡単(WordPressテーマ)
WordPressをインストールしたサイトには、WordPressテーマと呼ばれるテンプレート(Webサイトの構成に必要なファイルの集合体)を設定します。
テーマによってサイトのデザインや構成が決まるため、「ちょっとデザインを変えたいなぁ」といった場合はテーマを変更するだけでOKです。
テーマは無料で配布されているものから有料で販売されているものまであり、より自分好みのサイトを追求する場合はテーマを自作することが可能です。
以上のように、WordPressはサイトを利用するクライアント側、サイトを構築する製作者側、双方にとって使いやすいCMSなのです。
WordPress案件は何をする仕事?


「WordPress案件」って具体的にどんなことをするの?
Web制作で一般的に「WordPress案件」と呼ばれるお仕事は、主に以下の3つです。
- WordPressテーマの作成
- WordPressテーマのカスタマイズ
- 記事作成代行
WordPressテーマの作成
クライアントが希望するデザイン・構成のWordPressテーマを作成するお仕事。
WordPressテーマは通常のWebサイトと同じHTML・CSS・Javascript(jQuery)に加え、PHPというプログラング言語を使用して構築します。
ただしPHPで一からプログラムを作成する必要は無く、WordPressが用意した関数(簡単な入力で複雑な動作をさせられる機能)やプラグインの扱い方を学ぶことで、一通りの機能を持ったテーマが作成できます。
WordPressテーマのカスタマイズ
クライアントが既に使用しているテーマのデザイン変更や機能追加を行うお仕事。
デザイン変更のみの場合はCSSの知識があれば対応可能ですが、機能追加を行う場合は「テーマの作成」と同等の知識が必要になります。
記事作成の代行
WordPressの標準機能を利用して、クライアントの代わりに記事を作成する業務です。
既に出来上がった原稿を流し込むだけの単純作業も多く、その場合は専門性が低いため高単価の案件は見込めません。
フリーランスとして収入アップを目指す方は、WordPressテーマの作成・カスタマイズができるレベルを目指しましょう。
WordPressテーマの構造
WordPressテーマがどのような物なのかをここでお伝えするにはスペースが足りないので、ここでは簡単にWordPressテーマの構造について解説していきます。
早速ですが、HTMLで以下のようなWebサイトをコーディングしたとします。
index.html<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>WordPress案件について</title>
<link rel="stylesheet" href="css/style.css">
</head>
<body>
<header>ここにヘッダーの内容が入ります</header>
<main>
<div class="contents">
ここにメインコンテンツが入ります。
</div>
</main>
<footer>ここにフッターの内容が入ります。</footer>
</body>
<script src="js/script.js"></script>
</html>
上図のように、トップページを構成する要素は全てindex.html内に記載しますね。
これと同じページをWordPressテーマで表示する場合は以下の3つのファイルを作成します。
header.php<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>WordPress案件について</title>
<link rel="stylesheet" href="css/style.css">
<?php wp_head(); ?>
</head>
footer.php <footer>ここにフッターの内容が入ります。</footer>
<?php wp_footer(); ?>
</body>
<script src="js/script.js"></script>
</html>
index.php<?php get_header(); ?> <!-- header.phpの記述を呼び出す指示 -->
<main>
<div class="contents">
ここにメインコンテンツが入ります。
</div>
</main>
<?php get_footer(); ?> <!-- footer.phpの記述を呼び出す指示 -->
今回追記した「<?php〜」で始まる行は、WordPressテーマとして使用するファイルに記述する呪文のようなものですので、今は気にしなくても大丈夫です。
<header>より上の記述はheader.phpへ、<footer>より下の記述はfooter.phpへそれぞれ分割して記述し、index.phpでheader.phpとfooter.phpを呼び出す構造になっています。

…なんでこんな面倒くさい構造なの?
例えばトップページ + 下層10ページのサイトがあったとして、一般的なサイトのヘッダーやフッターは、トップページも下層ページも全て同じデザインであることが多いですよね?
そうなるとHTMLで作成したサイトの場合は、ヘッダーの内容を一部変更する際に合計11ページに対して修正を加えなければなりません。
しかし、headerを独立したファイルで作成し、index.phpから呼び出す構造の場合はどうでしょう?header.phpの記述を修正するだけで全てのページに変更内容が反映されますね。
このように、WordPressテーマはWebサイトを長期的に運用する際にメンテナンスが行いやすいように設計されているのです。
今回は深く掘り下げませんが、PHPの機能によって今開いているページを判別し、同じheader.phpを呼び出しているにも関わらず、URLによって出力結果を変えるといった事も出来ます。
なおWeb制作では、URLによって出力を変更することが出来るサイトを動的サイト、HTMLでコーディングした出力を変更できないサイトを静的サイトと呼ぶことも覚えておきましょう。
WordPress案件を受注する流れ

WordPress案件を受注するまでの流れは以下の通りです。
- Webサイト制作の基礎(HTML、CSS、Javascript)を身につける
- WordPressテーマの作成スキルを身につける
- ポートフォリオを作成する
- テストサーバーを用意する
- 仕事を探す
- 受注!
各手順については以下で説明します。
① Webサイト制作の基礎(HTML・CSS・jQuery)を身につける
WordPress案件でもHTML・CSSのスキルが必須ですので、書籍やネットで情報を集めて一通り学習した後、適当な見本サイトの模写コーディングを数ページ行って基礎を身に付けましょう。
HTML・CSSを基礎からしっかり学びたい人には以下の書籍がオススメです。
また、Javascriptを簡単に扱えるようにするために設計されたjQueryを学習すればWebサイトに動きを与えられるようになるため、受注できる案件の幅が広がります。
ProgateのjQueryレッスンで非常にわかりやすく使い方が解説されているので、「Javasciptは難しそうだからちょっと…」という人もぜひ挑戦してみましょう。
② WordPressテーマの作成スキルを身につける
Web制作の基本的なスキルが身についたらWordPressテーマの作成スキルを身につけます。
こちらも書籍やネットの情報で学習できますが、ネットで調べる際には以下の点に注意してください。
- 古い情報も多く存在する
- 「ブログを立ち上げたい人」のための情報もヒットする
WordPressは2003年5月に初版がリリースされて以来、ほぼ毎年バージョンアップを重ねており、その中でテーマの作成に関わる大きな仕様変更も何度か行われています。
そのため、数年前に書かれた記事を参考にして学習したとしても、最新版のWordPressでは通用しない可能性があります。
またネット上には「Web制作者」のための情報だけではなく、WordPressでブログやサイトを立ち上げたい「利用者」のための情報も多く存在するため、「自分が本当に知りたい情報」にたどり着くのが難しい場面があります。
書籍で学習する場合は以下がオススメです。
この本はWordPressのアップデートがある度に改訂版が出版されているため、最新版のWordPressでも通用する情報を得ることができます。
本の内容は、サンプルサイト(HTML)をベースに、一からWordPressテーマを構築していくレッスン形式で進むので、実際の案件をイメージしながら実践的に学習できます。
③ ポートフォリオを作成する
WordPressテーマの作成スキルを身に着けたら、次はポートフォリオサイトを作成しましょう。(作成済みの人は飛ばしてOKです!)
ポートフォリオサイトとは、クライアントにあなたのWeb制作スキルを見て貰うために作成するWebサイトのことで、良質なポートフォリオが作れると仕事の受注率が大幅にアップします。
WordPress案件の受注が目的ではありますが、ポートフォリオ用に作成するサイトはHTML・CSSで作成した静的サイトで問題ないでしょう。
詳しくは以下の記事で解説していますので、まだポートフォリオサイトを作成していない人は参考にしてみてください。

④ テストサーバーを用意する
ここまできたらあと一息!WordPress案件を受注したら使うことになる、テストサーバーを用意しましょう。
テストサーバーとは、あなたが作成したWebサイトをクライアントに見てもらうために用意するサーバーです。

作成したWordPressテーマ一式をクライアントに送付すればいいんじゃないの?
実はWordPressテーマの構築に使用するPHPという言語は「サーバーサイド言語」と呼ばれていて、サーバー上でしか動作しないという特徴があります。
ですので、作成したWordPressテーマをクライアントに見てもらうために、ファイル一式をサーバーへアップロードする必要があり、そのアップロード先となるのがテストサーバーという訳です。
テストサーバーについては以下の記事で詳しく解説していますので、まだ用意していない人は参考にしてみてください。
ちなみに作成中のWordPressテーマのコーディング結果を自分で確認する際には、専用のソフトを使用してPC内に仮想サーバーを立てることで、ローカル環境でもPHPを動作させてコーディング結果を確認することができます。
この辺についてはネット上の情報や、先ほど紹介した書籍などで詳しく解説されています。
⑤ 仕事を探す
ここまで来たら、あとは仕事を受注するのみです!
仕事を探す方法は以下の2通りです。
- クラウドソーシングで探す
- Web制作会社に営業する
クラウドソーシングで探す
未経験からWordPress案件を受注する場合、いきなり特定の会社に営業をするのは不安かと思いますので、手始めにクラウドソーシングで案件を探してみましょう。
初めから高単価な案件の受注は難しいので、受注する目的を「稼ぐ」から「WordPress案件の経験を積む」に切り替えて、対応できそうな案件を見つけたらガンガン応募しましょう!

Web制作会社に直営業する
クラウドソーシングでWordPress案件を何件か受注できたら、次はWeb制作会社に直営業してみましょう。
直営業はクラウドソーシングの案件と比べて高単価なことが多く、またシステム利用料なども発生しないため、「稼ぐ」ことを目的とする場合には是非挑戦していただきたいです。
「営業するのって少し不安だな…」という方でも挑戦しやすい営業方法を以下の記事で紹介していますので、参考にしてみて下さい。
まとめ
WordPress案件のお仕事内容や、受注するまでの流れについて紹介しました。
これまで「難しそうだからWordPress案件はノータッチだった」という方も、収入アップを目指してみてはいかがでしょうか?
それでは、よいWeb制作ライフを!